さなよくあさまさのブログ

なにやら雑に色々書いてます。

小惑星の力学

また100分de名著を見逃してしまった。月曜に見逃し、再放送こそは観ようと思っていたのに。今月はアリストテレス「ニコマコス倫理学」私はアリストテレスについては高校倫理で学んだことくらいしか覚えてないので楽しみにしていたが楽しみにしていただけだった。

倫理学という学問がありそれを研究している学者がいる。教養科目の講義で倫理学を学んだことがあったが、現代の医療倫理を中心にいろいろと話を聞いて面白い学問であると思えた。たしか、講義で強調されたのは倫理とは時代と共に変化していくものであり、再定義を繰り返していくものであるということだ。今学んだことがこれからの技術的な進歩や社会状況から変化するかもしれない。もうすでに学んだことが朧げであるので、これ以上は詳細に書かない。今からルーズリーフをひっくり返すには面倒だし、あやふやなことを書くのは良くない。三回くらい書こうとしたが、最後が全部「この単語の意味はよく覚えていない」で終わるのであきらめた。

倫理学、という単語を聞くと私の脳内では連想ゲームが始まり、最終的にジェームズ・モリアーティ教授に辿りつく。倫理学の知識が薄すぎてほかのジャンルへと連結し、大好きなジャンルへと移ってしまうのだ。シャーロック・ホームズとライヘンバッハの滝に落ちていった悪の親玉モリアーティ、作品ごとの個性が違いすぎてホームズのパスティーシュ作品を読むとどんなモリアーティかなとドキドキする。個人的にドラマ『SHERLOCK』で登場するモリアーティ教授がサイコパス感が強くて好みである。悪役は自分の論理に忠実であってほしい。作戦のために自殺とかしてほしい。ドンピシャ癖であった。

ただやっぱりモリアーティ教授は老人であってほしいので、次点でFate/Grand orderのモリアーティ教授が好きだ。このゲームでは老人のモリアーティ教授と若者のモリアーティが療法登場するの欲張りセットだがどちらもいいキャラで好きだ。若モリは引けてないけど。ネタばれはしたくないがモリアーティ教授の宝具(必殺技)は「小惑星の力学」である。なんかめちゃくちゃミサイルとか撃つのだが、これは正典(原作)でホームズがモリアーティ教授の書いた論文として挙げているものだ。この論文がどうして必殺技になるのかというと、大体アメリカの作家アイザック・アシモフのせいだ。アイザック・アシモフ黒後家蜘蛛の会』シリーズの中で拗らせたシャーロキアンがモリアーティ教授の論文内容を考察しようと主人公たちに持ち掛ける話があり、そこでは最終的に『小惑星の力学』は地球を破壊する方法論についての論文ということでシャーロキアンが納得して終わった。アシモフは『我はロボット』とか『ファウンデーション』シリーズもいいけど、推理ものもいいぞ。先述の話のおかげでゲーム内ではなんかかっこいい映像が見れる。シャーロック・ホームズは無限に解釈、物語が広がっていくので現代の親和ともいうべき懐の深さがあるが、時代の変化とともにどこに注目されるのか解釈の内容が変化していくことも面白く感じる。

これは倫理学にも同じことが言える。時代とともに再解釈され、言葉の意味合いも変化する。インフォームドコンセントが元来実験の対象者にデメリットや目的を説明するという意味だったのが、患者に治療法の説明をし患者自身に最終的に決定させるという意味になったように。モリアーティ教授に対する印象も変化する。漫画『憂国のモリアーティ』などで悪事を行うなりの理由が付きダークヒーロー的な意味合いが含まれたことはあらたな解釈を広げ、10年後にダークヒーローとしてモリアーティ教授を確固たるものにするかもしれない。わくわくである。みんなホームズ作品を読もう。