それは夜のことでした。せっかくの日曜日、私は眠る前にひと勝負したいと思い、ぷよぷよeスポーツを開いたのです。
私は休日の夜にはネット対戦で戦うのです。
それは勝利よりも技量を積むことを重視しています。戦うこと自体が楽しいのです。そう、これが悟性。ぷよぷよで勝利することではなく、ぷよぷよ自体が...
三連勝......
三連勝した!!!
マジかよ!このぷよ人生で初めてじゃないか!猛者ばかりが跋扈するeスポーツで三連勝!
レートも上がり、2840!!!
プロディビジョン3に昇格!!!
Foooo!!!マジヤバ!!!奇跡!!!
練習した甲斐があった〜
やはりぷよぷよは勝利の美酒を浴びることに意味がある!ぷよの栄光!野望!勝利!!!
勝利について語る文学者は少なく、栄光について語る哲学者は少ない。つまり私は今、この歓喜を語る言葉を持たない。だが、情動のおもむくままに書けばどうなるだろうか。
その結果が先の文章だ。
私はすぐ矛盾が生じるのが好きである。
あと、Twitterで発狂するオタクの仲間でもある。歓喜が高まると声がデカくなるのだ。
私はぷよぷよでネット対戦をするとき三戦以上続けないと決めている。というかそれ以上は集中力が続かないので気づいたら負けるのだ。
だが、ぷよぷよで勝つと私の気分は有頂天。人生初の連勝!気付けば私は栄光と勝利を求めてネットの海へと漕ぎ出した。
しかし!さらに二連勝!
美しい6連鎖を油断した相手に叩きこみ!
二連鎖、三連鎖をぶつける!粘りがち!
私は勝利に酔いながらそのまま三戦目へ。
十四連鎖をぶつけられて即死。
人間は謙虚な気持ちを持つべきだったのだ。
こんな時にはフローベール『聖アントワヌの誘惑』を思い出す。この作品は山で修行する隠者聖アントワヌが悪魔に幻覚を見せられ、最後神の存在を確信する。
私もぷよぷよの勝利に関する欲望の幻覚に打ち勝たなければ。しばらくネット対戦を控え、組み方の勉強をしようと思う。