さなよくあさまさのブログ

なにやら雑に色々書いてます。

放銃の多い日

ふと見上げた空には丸くなりはじめた月が浮かんでいた。あと数日で満月になるであろうそれは黄色とも白ともつかない、月色というしかない色で煌々と輝いていた。月には魔力がある。という伝承は世界各地に存在しており、月光の強い満月の日は邪な者の正体を暴くなどと言われる。また、現代の医学では月の満ち欠けが人体に影響を与える可能性が示唆され、現実として月がもたらす影響の強さが伺える。

今日の月は満月ではないが満月に近づいていることがわかる美しい月であった。もしかするとこんな夜には不思議なことが起こるかもしれない。

例えば、配牌で自風の役牌をアンコで持っていたのに負けることだとか。中を配牌でアンコで持って負けるとか、一向聴で始まり一向聴で終わったりとか。

今日は月光の美しい日であった。

麻雀がわからない読者には分からないと思うが、勝ちを確信した状態から負けたことだけは知っていてほしい。私は何度も「無意識にイカサマしたかも」と呟いた。それは杞憂だった。対面に座った友がバンバンあがり圧勝していた。なにが起こったのか。どうしてこうなったのか。疑問ばかりが生じるが、一つ分かることは、私の友は麻雀が上手すぎるということだ。あるいは月と相性が良かったのかもしれない。満月が近づくと強くなるとか能力者っぽくてかっこいい。もしそうなら私のテンションが上がるのでそう思っておくことにする。

分かっている。友が強いことと私が弱いことに関連性はない。だが、人間には運や確率といった不確かなものに合理的な理屈をつけようとする生き物だ。例え科学的でなかったとしても、理屈が通るならそれを考えてしまう。これこそが魔術が作られ、呪術が生じる所以である。

てか今日は本当に酷かった。月と相性が悪いと思わなきゃやってられん。

だから四つ辻で「エロイムエッサイム」と唱えれば悪魔が来るはずだし、猫の死体を海に落とせば嵐が来るはずで、丑の刻に憎い相手の髪の毛の入った藁人形に釘を刺せば相手を殺せるはずなので、今日の私は負けたということにしよう。