雨が降ったのは昼の2時ごろだった。空は半分が青くて半分が黒くなっていてお天道様は出ているのにザアアアと勢いよく雨が降っているのでなんだか妙な感じがした。私は突然の雨に立ち往生していて、お店の自動ドアから出ても呆然としていた。コンクリートを覆う雨水の匂いは水気と埃と土の匂いが混じった鼻につく匂いだった。雨は霧のように視界を塞ぎ、目の前を通った車のテールランプの赤は薄ぼんやりとして形を失い火の玉のように過ぎ去った。
私は五感の全てが不快感を感じたことで自身の頭痛がひどくなっていることに気づき、今さっき買った頭痛薬を飲むことにした。
ほとんど毎日頭痛に苛まれている私は頭痛薬を常備していたが今日は切らしていたのでドラッグイレブンへ行ったのだった。まず病院へ行くべきなのだが、病院嫌いと検査の煩雑さに尻込みしている。
この頭痛は一日のうちに突然痛み突然引くので私は勝手に突発性頭痛と呼んでいるけれども、もしかしたら頭痛ではなく首や肩が凝っているのかもしれないし、私が痛いと勘違いしているだけかもしれない。元々偏頭痛があるのでそれと別の頭痛が交互に襲っているにかもしれない。
真相は藪の中。頭痛の真相は誰も知らない。
